伊藤計劃記録 はてな版

『虐殺器官』『ハーモニー』『屍者の帝国』の劇場アニメ化を記念して、伊藤計劃氏の生前のブログから精選記事を抜粋公開します。

シックス・センス(1999)

アメリカでは無茶苦茶ヒットしたこの映画ですが、内容はかなり地味です、はっきり言って。でも実は、ホラーと見せ掛けて涙腺を緩ませる感動作だったりする。 主演はブルース・ウィリス。今回は怒ったり泣いたりの全くない地味な演技ですが、はっきりいってそ…

トゥルーマン・ショー(1998)

ランニングピクチャーズ第15回は「シティ・オブ・エンジェル」大ヒット御礼・公開延長の被害にあって、公開順延の憂き目をみている「静かなる傑作」こと「トゥルーマン・ショー」。これの公開されている劇場で、次に控えているのが大量の女性観客層を望める…

『マトリックス』(1999)

「見慣れた」荒唐無稽さを「見たこともない」イメージで描く。「見慣れた」内容を「見慣れない」映像で見せる。そこには久しぶりに「アイデア勝負の技術」をいうものが見えて、私はそのことに純粋に感動しました。 もちろん!やってることも凄いぞー!「そう…

『ファイト・クラブ』(1999)

ひとりひとりの、かけがえのない命と皆はいう。でも、ぼくらは唯一無二の美しい雪のかけらなんかじゃない。かといってごみくずでもない。ぼくらはぼくらだ。でも今や都市が世界を覆い、個々の存在は無に等しい。個人主義が進行するほどに、どういうわけかぼ…